計算方法とデータ
タネドキは、全国914か所のアメダス地点ごとに、37種類の野菜の種まき・植え付け・収穫の時期を計算しています。ここでは、その計算方法と使っているデータ、わかっている限界を説明します。
使っているデータ
- 気温:気象庁「平年値ダウンロード」のアメダス日別平年値(統計期間1991〜2020年)。日平均気温、日最低気温とその標準偏差を使います。日々の細かな揺れをならすため、前後3日を含む7日間の移動平均をとっています。
- 過去の記録:気象庁「過去の気象データ・ダウンロード」の日最高・最低気温(1976〜2025年)。都道府県庁所在地の気象台(気象台がない場合は県内で最も近い気象台)の50年分から、毎年の最後の霜の目安(最低気温3℃以下の最終日)や、平均気温が15℃以上で安定する日を集計し、遅霜のリスクと近年の変化を示しています。
- 基準の栽培暦:主要な種苗メーカーが種袋や栽培マニュアルで示している、中間地(関東標準)の一般的な時期。東京(アメダス「東京」)を中間地の代表地点とします。
出典:気象庁ホームページ「平年値ダウンロード」(https://www.data.jma.go.jp/stats/data/mdrr/normal/index.html)の日別平年値、および「過去の気象データ・ダウンロード」(https://www.data.jma.go.jp/risk/obsdl/)のデータを加工して作成
換算のしかた
東京の栽培暦にある「始まり」と「終わり」の日付を、それぞれ次のルールで各地点の日付に置き換えます。
1. 春〜初夏の作業:同じ平均気温になる日
暖かくなっていく時期の作業は、東京でその作業をする日と同じ平均気温になる日に置き換えます。たとえばトマトの植え付け開始は、東京の4月下旬の平年気温(約15.9℃)に達する日です。札幌では6月上旬、鹿児島では4月上旬になります。
2. 夏〜秋の作業の始まり:暑さが落ち着く日
ハクサイやダイコンなど秋に種をまく野菜は、東京で作業を始める頃と同じ気温まで下がった日を始まりにします。夏でもそこまで暑くならない地域は、暑さを待つ必要がないため、締め切りから逆算して東京と同じ長さの期間をとります。
3. 夏〜秋の作業の締め切り:冬までに育つ最後の日
秋の作業の締め切りは、気温よりも「冬が来るまでに収穫できるか」で決まります。東京の締め切りの日から最初の収穫までに必要な暖かさ(野菜ごとの生育下限温度を超えた分の積算温度)を求め、各地点でその暖かさを確保できる最後の日を締め切りとします。冬を越して春に収穫するタマネギやエンドウなどは、冬までに根を張るのに必要な暖かさで判定します。
4. 収穫:積算温度と季節
夏の収穫は、種まき・植え付けからの積算温度が東京と同じになる日を始まりにします。秋〜冬の収穫は季節の冷え込みに強く左右されるため、東京で収穫が始まる頃と同じ気温まで下がった日を目安にします(ただし生育期間が東京の7割を下回らないようにしています)。
5. 霜の扱い
日最低気温の平年値と標準偏差から、その日に最低気温が3℃以下になる確率(地面付近では霜が降りやすい目安)を求め、10%以上の日を「霜の心配がある日」としています。霜に弱い夏野菜は、春の最後の霜の心配がなくなってから植え付け、秋の最初の霜の心配が出る前に収穫を終えるように調整します。
6. 表示の細かさ
平年値から求めた時期は数日単位の精度がないため、種袋と同じく「上旬・中旬・下旬」の単位で表示しています。
計算結果の例
東京で計算すると基準の栽培暦と一致し、寒い地域ほど春の作業が遅く・秋の作業が早く、暖かい地域ほどその逆になります。
トマト(春植え(苗))
| 札幌 | 植え付け 6月上旬〜7月上旬、収穫 8月中旬〜10月上旬 |
|---|---|
| 仙台 | 植え付け 5月中旬〜6月中旬、収穫 7月下旬〜10月上旬 |
| 東京 | 植え付け 4月下旬〜5月中旬、収穫 7月上旬〜9月中旬 |
| 大阪 | 植え付け 4月中旬〜5月上旬、収穫 6月下旬〜9月上旬 |
| 鹿児島 | 植え付け 4月上旬〜5月上旬、収穫 6月中旬〜8月下旬 |
ジャガイモ(春植え(種いも))
| 札幌 | 植え付け 4月中旬〜5月上旬、収穫 7月中旬〜8月中旬 |
|---|---|
| 仙台 | 植え付け 3月下旬〜4月中旬、収穫 6月下旬〜7月下旬 |
| 東京 | 植え付け 2月下旬〜3月下旬、収穫 6月上旬〜7月上旬 |
| 大阪 | 植え付け 2月中旬〜3月下旬、収穫 5月下旬〜6月下旬 |
| 鹿児島 | 植え付け 1月下旬〜2月下旬、収穫 5月中旬〜6月上旬 |
ハクサイ(秋まき)
| 札幌 | 種まき 7月下旬〜8月上旬、植え付け 8月中旬〜8月下旬、収穫 10月中旬〜12月上旬 |
|---|---|
| 仙台 | 種まき 8月上旬〜8月下旬、植え付け 8月下旬〜9月中旬、収穫 11月上旬〜1月中旬 |
| 東京 | 種まき 8月下旬〜9月上旬、植え付け 9月中旬〜9月下旬、収穫 11月中旬〜1月下旬 |
| 大阪 | 種まき 9月上旬〜9月中旬、植え付け 9月下旬〜10月上旬、収穫 11月下旬〜2月上旬 |
| 鹿児島 | 種まき 9月中旬〜10月上旬、植え付け 10月上旬〜10月下旬、収穫 12月上旬〜2月中旬 |
タマネギ(秋まき(苗の植え付け))
| 札幌 | 冬の寒さが厳しく、この作型では越冬が難しい地域です |
|---|---|
| 仙台 | 種まき 8月中旬〜9月上旬、植え付け 10月上旬〜11月上旬、収穫 6月上旬〜7月上旬 |
| 東京 | 種まき 9月上旬〜9月下旬、植え付け 11月上旬〜11月下旬、収穫 5月中旬〜6月中旬 |
| 大阪 | 種まき 9月中旬〜10月上旬、植え付け 11月上旬〜12月上旬、収穫 5月上旬〜6月上旬 |
| 鹿児島 | 種まき 9月下旬〜10月中旬、植え付け 11月中旬〜12月中旬、収穫 4月中旬〜5月中旬 |
わかっている限界
- 平年の気温での目安です。その年の天候(暖冬・冷夏・遅霜など)で実際の適期は前後します。
- 品種で変わります。早生・晩生や、寒さ・暑さに強い品種では適期が大きく異なります。種袋の記載を優先してください。
- 畑の環境は反映していません。マルチやトンネル、ハウス、日当たり、土の種類で生育は変わります。
- 日の長さで決まる性質は一部しか考慮していません。ニンニクなど日の長さの影響が大きい野菜は、気温だけで計算すると地域差が実際より大きく出るため、補正を小さくしています。
- 亜熱帯(沖縄・奄美など)は参考値です。本土とは栽培の組み立てが大きく異なるため、地域の栽培暦もあわせて確認してください。
- アメダス地点の気温です。お住まいの場所と地点の標高差がある場合、標高が100m高いと気温はおよそ0.6℃低く、春の作業は数日遅くなります。
誤りを見つけたら
地域の実際の栽培時期と大きく違う結果があれば、お問い合わせから地点名と野菜を添えてお知らせください。基準の栽培暦や計算方法の見直しに役立てます。